「母と子、日韓の歴史の間(はざま)で」大阪マダン
東京、大阪、福岡の三都市で開催される今回の日韓演劇フェスティバルは文化交流をより深化させる取り組みとなりました。
1910年の韓国併合から36年に渡る植民地政策は韓国民に多大な迷惑を掛けると同時に多くの在日韓国・朝鮮人を産み出すことになりました。在日韓国・朝鮮人の最も多い地域である関西での開催の実現は意義のあることと思い、在日色をより鮮明にすることでほかの地域との違いを表現することになりました。韓国の劇作家であり、詩人である演出家の李潤澤(イ・ユンテク)氏と関西の役者たちのコラボレーション、済州島の古典芸能を演じるマダン劇団の参加は、日頃茶の間に流れる韓流ブームのテレビドラマ等とは違う生の芸術に触れる喜びがあると思います。マダンとは広場を意味します。「その時、その場で、その人々と」と言う消えていく芸術である演劇を通して、経済優先の現実の価値観を変革する機会にしたいと思います。
(第2回日韓演劇フェスティバル関西ブロック企画実行委員長・堀江ひろゆき)
日韓演劇フェスティバルへ、夢・羽ばたく
日韓演劇フェスティバルが関西でも開催できることになった。第二回日韓演劇フェスティバルは、東京、大阪、九州の3都市で開く。画期的なことだ。韓国の演出家を招聘して、関西在住の役者で舞台をつくる。韓国のマダンも来る。地元在日の劇団の公演、大阪の小劇場劇団のオリジナル、韓国戯曲や物語のリーディンング、と多彩なプログラムで彩る。
2月初旬から2週間のフェスティバルである。韓国と日本は、飛行機で2時間くらいの近い距離だ。しかし、まだまだ精神的には、遠い国だ。歴史の残酷さ、愚かな人間の欲望と判断は、いろんなことを狂わせてきた。だか、私たちは、両国の演劇人の演劇上演や語らいを交えて、素敵な方向へ向かって行きたい。私的なことだが、韓国へは観劇交流でソウル(京城)へ、演劇上演でチュンチョン(春川)へ行ったことがあるくらいであるが、このたびの、「小町風伝」は、日本の劇作家・太田省吾の作であり、韓国の優秀な演出家イ・ユンテクの個性豊かな上演で幕を開け、豊富な企画は、二国を近い距離してくれると想う。(関西ブロック代表・菊川 徳之助)